
アトピー体質の子がなりやすいアレルギー性の病気です。ヒューヒュー、ゼーゼーと呼吸困難の発作をくりかえします。発作の程度は、運動、大笑い、泣いた後、起床時に見られる一時的な咳やゼーゼーや、夜間の目をさますような咳き込みなどの軽微なものから、チアノーゼを起こすような重いものまでさまざまです。1歳未満ではウィルス性気管支炎により、ヒューヒュー、ゼーゼーを呈することもあるためはっきりとした診断できないこともあります。
発作は、空気の通り道である気道が、あらゆるものに対して敏感に反応するために起こります。発作が起きているときは、気道に一時的な収縮が起こり、気管の壁がむくみ、たんの分泌がふえ、気道が細くなっています。そのため呼吸がしにくくなり、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴が聞こえるのです。発作は、天候の変化や精神的なストレスが引きがねになったり、ハウスダスト、花粉、食べ物などが原因の場合もあります。かぜや気管支炎などの病気への感染が、最初の発作を引き起こすきっかけとなることもあります。
ご両親のどちらかが子どものころ気管支喘息であったり、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーの病気を持っている場合、お子様にもアレルギー体質が遺伝して、気管支喘息が見られるケースが多々見られます。
気管支喘息発作はハウスダストと呼ばれる家の中のホコリやダニも一因となります。犬、猫、ハムスター、鳥など毛のあるペットもそうです。タバコの煙は気管支の過敏性を増すため、気管支喘息発作のあるお子様にとって大敵です。
治療はロイコトリエン受容体拮抗薬内服を中心とした内服療法、ステロイド吸入を中心とした吸入療法を用いて喘息発作が起こらないようにする予防治療が主体になります。発作が起こってしまった際には、気管支拡張剤の内服や吸入をしたり、ステロイド薬の点滴注射を行います。
通常小児期の気管支喘息の治療は「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」に基づき行われています。当クリニックにおいても本ガイドラインに基づいた治療を行い、お子様の生活の質の向上を目指します。